リハビリテーション科

リハビリテーション科

リハビリテーション科について

独立行政法人国立病院機構 盛岡医療センター リハビリテーション科では、総勢24名の専門スタッフが、入院早期の急性期から回復期(包括期)、神経難病・療育分野まで、一人ひとりの人生に寄り添った包括的なリハビリテーションを提供しています。専門的かつ質の高い機能訓練と在宅復帰支援します。

当科の3つの強み

1充実した専門スタッフ体制

理学療法士(PT)14名、作業療法士(OT)7名、言語聴覚士(ST)3名の総勢24名が在籍。マンツーマンでの手厚い個別対応を実施しています。

2リハビリ機器の積極導入

レッドコード、リフト式免荷歩行器などのリハビリ機器を用い、安全で効果的な訓練を提供します。

3セーフティネット&チーム医療

医師、看護師、メディカルスタッフ、MSWと密に連携。人工呼吸器を装着している患者さんの離床や、重度障害者の意思伝達支援などの専門医療に対応します。

リハビリテーション科の紹介

「多職種と連携し、一人ひとりの人生に寄り添うリハビリテーションを提供します」

【基本方針】

  • チーム医療の徹底推進 : 医師、看護師、メディカルスタッフ、医療ソーシャルワーカー(MSW)等と密に情報を共有。入院早期から個々の状態に合わせた包括的リハビリテーションプログラムを提供します。
  • 質の高い専門リハの提供 : 運動器・脳血管・呼吸器・摂食嚥下など、多岐にわたる専門知識とリハビリ機器を取り入れ、安全性と効果を追求した生活再建・機能回復を目指します。

専門スタッフ配置(総数24名)

当科では、総勢24名のセラピストが在籍し、患者さん一人ひとりの病態や生活背景に寄り添ったマンツーマンのリハビリテーションを実施しています。

職種人数主な役割
理学療法士(PT) 14名 基本動作能力(起き上がる・立つ・歩く)の回復支援、運動療法、呼吸・心臓リハビリ
作業療法士(OT) 7名 日常生活動作(ADL)訓練、手指応用動作、高次脳機能障害、意志伝達装置適合
言語聴覚士(ST) 3名 言語機能・発語訓練、摂食嚥下障害評価・訓練

【理学療法士(PT)の役割】

「起き上がる・立つ・歩く」基本動作の回復を目指すプロ

病気、ケガ、高齢などによって低下した身体能力に対し、物理療法と段階的な運動療法を組み合わせ、自立した日常生活を送るための基本動作能力の回復と維持を支援します。

  • 関節可動域訓練・筋力増強運動 : 柔軟性を取り戻し、姿勢保持や動作に必要な筋力を強化。
  • 動作訓練(寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行) : 自立した生活に不可欠な動作を実生活に近い環境で練習。
  • 心臓・呼吸リハビリテーション : 心肺負荷への耐性を高め、ADL向上および円滑な社会復帰を促進する。
  • 物理療法(温熱・電気・牽引など) : 痛みやしびれを緩和し、運動療法を効果的・安全にサポート。

【作業療法士(OT)の役割】

「心と身体、日常の生活動作」をつなぐ自立支援のプロ

食事、入浴、家事、仕事といった「日常のすべての作業」を通じたアプローチを実施。身体機能の回復だけでなく、精神面のケアも含めたその人らしい自立した生活の再獲得を支援します。

  • 日常生活動作(ADL)訓練 : 食事、入浴、着替え、トイレ動作を実際の場面を想定して練習。
  • 手指などの応用的な動作訓練 : 手芸、木工、PC操作等を通じて手指の細かな運動能力と集中力を向上。
  • 高次脳機能障害へのアプローチ : 記憶障害や注意障害に対し、認知・作業訓練を行い安全な社会・在宅復帰をサポート。
  • 住環境調整と自助具の選定 : 家屋評価、手すりの設置提案、自助具の選定。

【言語聴覚士(ST)の役割】

「話す・聴く・食べる」コミュニケーションと食べる楽しみを支えるプロ

言葉によるコミュニケーションや飲み込み(嚥下)に困難がある方を支援し、自分らしい意思疎通と安全に食べる喜びを取り戻します。

  • 言語障害(失語症・発達遅滞)訓練 : 絵カードや対話を通じ、実用的なコミュニケーション能力を構築。
  • 構音障害・音声障害訓練 : 発声機関のマッサージや発音練習を行い、聞き取りやすい声の獲得を促す。
  • 摂食嚥下障害訓練 : 喉の筋力強化(間接訓練)および実際に適した食形態での直接指導。
  • 「お楽しみ」の導入(飴・ゼリー) : 厳しい制限の中でも「美味しい、楽しい」と感じる好物を取り入れ、QOLとモチベーション向上をサポート。
  • 国の政策医療を担う基盤(セーフティネット医療) : 結核、神経難病、重症心身障害など
  • スケールメリットの追求(全国140病院の連携) : 日本最大級の病院ネットワークを活かした臨床データベースの構築や共同研究により、標準的治療を均一に提供します。

診療領域と施設基準

区分/施設基準主な対象疾患取り組みおよびアプローチ内容
運動器リハビリテーション(Ⅰ) 大腿骨近位部骨折、変形性関節症、脊椎疾患、骨折等の外傷 術後早期からの消炎鎮痛、運動療法、段階的な荷重・歩行訓練
脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ) 脳卒中後遺症、パーキンソン病等の神経難病 等 高次脳機能障害アプローチ、ADL再獲得訓練
呼吸器リハビリテーション(Ⅰ) 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、誤嚥性肺炎 等 コンディショニング、排痰法指導、呼吸筋訓練、酸素療法下での日常生活訓練
摂食機能療法 摂食嚥下障害全般、気管切開患者 等 多職種による嚥下チームケア、食形態(嚥下調整食)調整、直接・間接訓練

地域包括ケア病棟のリハビリテーション

在宅復帰・社会復帰を加速させる、生活再建のパートナー

急性期治療を終えた患者さんが、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、病棟専従のスタッフが医師・看護師・MSWと連携。一人ひとりの生活環境に合わせた実践的なリハビリテーションを提供します。

  • 多職種チームによる強力な支援 : 専任の理学療法士らが病棟カンファレンスに参画し、入院当日から退院後の生活を見据えた個別プログラムを立案します。
  • 退院後の環境に合わせた環境調整 : 実際の家屋環境を想定した動作訓練や、手すり設置・段差解消のアドバイスなど、シームレスな在宅復帰をサポートします。
  • ADL維持・向上への徹底したアプローチ : リハビリ室以外の生活場面でも「動く機会」を創出し、身体機能の低下を防ぐとともに、早期の自立支援を推進します。

地域包括医療病棟のリハビリテーション

急性期後のさらなる回復と機能強化を支える、専門的リハビリテーション

急性期治療を終え、さらなる機能回復や病状安定を必要とされる患者さんに対し、高度な専門性を有するスタッフが多職種と連携。集中的なリハビリテーションを提供し、円滑な機能回復と生活能力の向上を支援します。

  • 多職種連携による集中アプローチ : 医師・看護師・リハビリ専門職が密に連携し、個々の治療経過に合わせた緻密なリハビリ計画を策定・実施します。
  • 機能回復の最大化 : 専門知識に基づく運動・作業・言語療法を組み合わせ、身体機能および日常生活動作(ADL)のさらなる向上を目指します。
  • シームレスな医療連携 : 病棟内での継続的なリハビリ環境を整え、急性期から回復期(包括期)への橋渡しをスムーズに行い、より高いレベルでの自立を目指します。

リハビリ機器を使用した専門的アプローチ

1.レッドコード・セラピー

天井から吊るされた赤いロープを使用し、自重を免荷しながら行うエクササイズ治療器具です。身体を優しくサポートしながら行うため、運動時の負担や痛みを最小限に抑えられます。

  • 柔軟性の向上 : 関節の可動域を広げ、筋肉の緊張を緩和。
  • 体幹とインナーマッスルの活性化 : 不安定なロープが体幹の深層筋肉を刺激。
  • 個別最適化 : 首、肩、腰、膝など各部位に応じた無重力感覚のトレーニング。
レッドコード・セラピー

2.リフト式免荷歩行器

ハーネスで身体を安全に吊り上げ、体重の負荷を軽減(免荷)しながら歩行練習が行える最先端機器です。

  • 転倒ゼロの安全設計 : 身体がしっかり保持されるため、恐怖心なく歩行に集中。
  • 理想的な歩行姿勢の再学習 : 適切な免荷調整により足腰への負担を減らし正しい歩容を誘導。
  • 早期リハビリの実現 : 自立歩行が困難な段階から早期に起立・歩行訓練を開始可能。
リフト式免荷歩行器

資格保有の紹介

理学療法士(PT) 作業療法士(OT) 言語聴覚士(ST)
  • 日本理学療法士協会 登録理学療法士:1名
  • 3学会合同呼吸療法認定士:5名
  • 脊髄障害認定理学療法士:1名
  • BLSヘルスケアプロバイダー:1名
  • 福祉住環境コーディネーター2級:1名
  • がんのリハビリテーション研修修了者:3名
  • 認定作業療法士:1名
  • 3学会合同呼吸療法認定士:2名
  • 生活行為向上マネジメント指導者:1名
  • LSVT LOUD認定資格:1名

学術実績(学術誌・書籍)

学術誌掲載

発刊年・掲載誌題名著者・編者
平成30年度発刊
岩手理学療法学 Vol.11(2019)
誤嚥性肺炎を繰り返す多系統萎縮症患者に対し機械的排痰補助装置を用いた介入 池田 匠 / 熊谷 沙知 / 北出 雅也
令和8年度発刊
岩手理学療法学 Vol.18(2026)
重度の呼吸困難を呈した気腫合併肺線維症患者 池田 匠 / 髙橋 信 / 菅原 啓祐

書籍

『ニュースタンダードで築く パーキンソン病の作業療法―生活機能向上のための実践ガイド―』
出版社:協同医書出版社 発刊:2025年11月 区分:共著
監修:坪井義夫、宮口英樹
編集:藤岡伸助、髙橋香代子、長城晃一
*共同著者 作業療法士 佐々木千波

参加団体・地域活動

  • 特定非営利活動法人 いわて失語症支援センター 副理事長(高島 容)
  • 岩手災害リハビリテーション推進協議会委員 ―いわてJRAT―(高島 容)
  • 失語症者向け意思疎通支援者養成事業実行委員会(実行委員)(高島 容)

他の部門を見る