BKP手術
脊椎圧迫骨折は、脊椎が押し潰されるように変形してしまう骨折です。骨折の原因は骨粗鬆症が進んで脊椎が弱くなったため、少しの衝撃でつぶれてしまうことです。転倒・しりもち・くしゃみなどで起こります。骨折が生じると強い腰や背中の痛みが起こります。
従来は長期間の臥床やコルセット治療をおこなったり、脊椎固定術といった体に負担の大きなインプラント手術をすることもありましたが、最近では、特殊な手術器具と医療用セメントを用いて体に負担なく骨折を治療することが出来るようになりました。それが、BKP(バルーン・カイフォプラスティ=風船椎体形成術)です。
BKPは、手術時間がおよそ約1時間と患者さんの負担がかなり軽減されるというメリットがあります。この手術は、自由診療や先進医療として行われてきた手術ですが、診療報酬改正により、現在では「経皮的椎体形成術」として保険診療の適用となりました。専門のトレーニングを受けて認定資格を取得した医師でなければできないものであり、当院では、大山整形外科部長が認定資格を取得して、この手術を行っています。
●背中から針を刺入し、骨折した椎体へ小さな風船のついた器具を入れます。
●椎体の中に入れた風船を徐々に膨らませ、つぶれた骨を持ち上げて、できるだけ骨折前の形に戻します。
●風船を抜くと、椎体内に空間ができます。その空間を満たすように、骨セメントを充填します。
●手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。