院長あいさつ
院長挨拶
当院は今から111年前の明治42年(1909年)に陸軍の病院として開院し、昭和20年に厚生省管轄の国立盛岡病院となりました。その後、昭和28年に結核療養所として国立盛岡療養所と名称変更(医療法病床数210床)、さらに昭和45年には脳卒中リハビリテーション病棟を増設し昭和52年に国立療養所盛岡病院(250床)と改名、平成5年には国立花巻温泉病院と統合(300床)、4階建ての病棟・外来を新築し現在に至っています。平成16年には全国約150の国立病院が独立行政法人となり、当院も独立行政法人国立病院機構盛岡病院として再スタート、さらに令和1年度より小児科と重症心身障がい者病棟を新規に開設し独立行政法人国立病院機構盛岡医療センター(260床)と改称しました。
病棟は5つあり、急性期病棟10:1看護;55床(内科・整形外科・小児科)、地域包括ケア病棟;51床、障害者病棟7:1看護;91床、結核ユニット7:1看護;10床、重症心身障がい者病棟7:1看護;40床と運営病床数は計247床です。セーフティネット系の病床が6割を占め、亜急性期~回復期2割、急性期2割の病床配分となっています。急性期病棟は盛岡医療圏でも専門医が希少な呼吸器・リウマチ内科・脊椎外科領域の急性疾患と整形外科手術の周術期管理ならびに食物アレルギー負荷試験と小児救急輪番制度で入院してくる小児の管理を行っています。
病棟構成から推測できる通り内科系各科(呼吸器・アレルギー科、リウマチ科、神経内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病科)と整形外科ならびに小児科が診療の中心です。呼吸器・アレルギー科は常勤医5名(内専門医3名)と比較的豊富なスタッフを有し、呼吸器疾患全般と一般内科の診療に当たっています。結核診療とアレルギー疾患においては岩手県の拠点病院です。リウマチ科は常勤の専門医1名が整形外科および呼吸器内科と協力して膠原病などの自己免疫疾患の入院治療と外来管理を、また、神経内科は常勤の専門医2名が神経難病の入院治療を中心に診療を行っています。循環器内科・消化器内科・糖尿病科は東北大学・岩手医科大学ならびに仙台医療センターからの非常勤医師が専門外来を担当しています。一方、整形外科は常勤医師2名が常勤麻酔科医1名と共に、専門性の高い脊椎疾患の手術のみならず、一般の外傷・骨折にも対応し年間320件前後の全身麻酔下手術を実施しています。小児科は常勤医師2名が、重症心身障がい者の入院治療と食物アレルギーの検査入院を担当、外来は食物アレルギー、気管支喘息、炎症性腸疾患などを対象にしたアレルギー・免疫疾患外来を開設しています。盛岡地区の小児救急輪番制度に参加しており、月に3回程度担当しています(COVID-19対策のため岩手医大小児科が輪番制度からはずれ令和2年5月からは月6-9回)。この時のみは肺炎やけいれんなどの一般的な小児疾患の入院にも対応しています。
このような医療体制で当院は、呼吸器・アレルギー科、リウマチ科および整形外科において救急医療から回復期のリハビリテーションまで切れ目のない医療を提供し、主として盛岡北西部の地域医療に貢献してまいります。また、結核医療・重症心身障がい者医療・障がい者医療・小児のアレルギー・免疫疾患の分野では全県規模でその役割を果たしていきます。そのために病診連携、病病連携、病院・介護福祉連携を大切に、患者さんや地域から信頼され、求められる医療を提供する努力を職員一同で継続してゆく所存です。