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脳神経外科開設のお知らせ

脳神経外科医師 西川泰正

2024年10月より『脳神経外科外来』を開設しました。

脳神経外科が扱う分野には脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍などへの超急性期外科的治療のほか、ニューロモデュレーション治療と呼ばれるものがあります。

ニューロモデュレーション治療とは上述の脳卒中や頭部外傷などの後に残った手足の痛み(神経痛)や筋肉の過度の緊張(痙縮)、パーキンソン病患者さんに代表されるような手足のふるえ、こわばりといった不随意運動症を軽減するために行われる専門治療分野です。
このニューロモデュレーション治療を専門的に行っている施設は全国的にも極めて珍しく、岩手県内では当院が唯一となります。後遺症と諦めるまえに一度当院での診察を受けてみてはいかがでしょうか。

当科ではこのニューロモデュレーション治療の他に、岩手医科大学や近隣の急性期病院、脳神経内科などとも連携を図りながら、主に急性期を脱し回復期にある患者さんの機能回復を目指した脳神経外科治療を行ってまいります。

【診療日】

(第1、3、5週)

 
午前
午後

当院で行うニューロモデュレーション治療とは

以上が、当院で行うニューロモデュレーション治療です。
(詳しくはこちらのウェブサイト(日本定位・機能神経外科学会)をご参照ください。 [※日本定位・機能神経外科学会のWebサイトへ接続します])

1.脳深部刺激療法(DBS)

脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation : DBS)とは、脳の奥深くにある神経細胞の集まり(神経核)に細い刺激電極を留置し、前胸部に埋め込んだ刺激装置(IPG)から微弱な電気を流すことで、パーキンソン病などに代表される不随意運動症(体が勝手に動く、もしくはこわばって動けなくなる症状)を軽減させる治療法です。

当院では岩手医科大学附属病院と共同でこの治療を行います。


(画像提供:日本メドトロニック株式会社)

2.脊髄刺激療法(SCS)

脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation : SCS)とは、脊髄を細い刺激電極で刺激することで、痛み(神経痛)を引き起こしている神経の異常な興奮を抑え、痛みを和らげる治療法です。
脊椎手術後の痛み、脳卒中後の痛み、帯状疱疹後の痛み、末梢神経に原因がある痛み、末梢血管の血流が不良(虚血)となり生じる痛みなど、いずれも従来のくすりによる治療のみでは十分効果が得られなかった痛みを和らげることができる可能性があります。

3.バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)

バクロフェン髄腔内投与療法(ITB)とは、重い痙縮(筋肉の過緊張状態)の患者さんに用いる治療法です。
腹部の皮下に埋め込んだポンプからカテーテルを通して筋の緊張を和らげるバクロフェンというくすりを持続的に脊髄周囲(髄腔)に流すことで筋の緊張を和らげます。

当院では痙縮治療として、ITBの他にボツリヌス治療も行います。

医師紹介

  • 氏  名 西川 泰正(にしかわ やすまさ)
    役  職 脳神経外科医師
    出身大学 岩手医科大学
    資格・専門医等 日本脳神経外科学会専門医
    日本定位機能神経外科学会技術認定医
    インフェクションコントロールドクター(ICD)
    所属学会等 日本脳神経外科学会
    日本定位機能神経外科学会(評議員)
    日本ニューロモデュレーション学会(評議員)
    日本パーキンソン病・運動障害疾患学会
    国際ニューロモデュレーション学会
    The Movement Disorder Society
    日本環境感染学会
    日本臨床神経生理学会
    日本リハビリテーション医学会
    日本クリニカルパス学会