整形外科このページを印刷する - 整形外科

整形外科について

整形外科について

【診療時間】
  • 脊椎外来:水曜日 9:00~11:00 紹介予約制
    月・火・木・金曜日 8:30~11:00
整形外科で手術を受けられる患者さんへ

整形外科で扱う主な疾患

痛みをとるBKP治療

BKP手術

脊椎圧迫骨折は、脊椎が押し潰されるように変形してしまう骨折です。骨折の原因は骨粗鬆症が進んで脊椎が弱くなったため、少しの衝撃でつぶれてしまうことです。転倒・しりもち・くしゃみなどで起こります。骨折が生じると強い腰や背中の痛みが起こります。

従来は長期間の臥床やコルセット治療をおこなったり、脊椎固定術といった体に負担の大きなインプラント手術をすることもありましたが、最近では、特殊な手術器具と医療用セメントを用いて体に負担なく骨折を治療することが出来るようになりました。それが、BKP(バルーン・カイフォプラスティ=風船椎体形成術)です。

BKPは、手術時間がおよそ約1時間と患者さんの負担がかなり軽減されるというメリットがあります。この手術は、自由診療や先進医療として行われてきた手術ですが、診療報酬改正により、現在では「経皮的椎体形成術」として保険診療の適用となりました。専門のトレーニングを受けて認定資格を取得した医師でなければできないものであり、当院では、大山整形外科部長が認定資格を取得して、この手術を行っています。

  • 背中から針を刺入し、骨折した椎体へ小さな風船のついた器具を入れます。

  • 椎体の中に入れた風船徐々に膨らませ、つぶれた骨を持ち上げて、できるだけ骨折前の形に戻します。

  • 風船を抜くと、椎体内に空間ができます。その空間を満たすように、骨セメントを充填します。

  • 手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。

当科で扱っている主な脊椎疾患

1.腰部脊柱管狭窄症

中高年に多く発症し、歩いたり、長く立っていると足がしびれてくる病気です。背骨の脊柱管と呼ばれる神経の通り道が、加齢や骨の変形によって狭くなってくるのが原因です。

【治療】

症状の軽いうちは内服、装具療法などを行います。しかしそうした治療が効果無く、筋力が落ちてきたり、日常生活上で困る場合は手術を行っています。当院では顕微鏡を使用して脊柱管を広げる手術(椎弓切除術)を行っています。
1椎間の手術では傷は3センチ程度、入院は約1週間です。

2.腰椎椎間板ヘルニア

背骨のなかでクッションの役割をしている椎間板の中身が飛び出して神経を圧迫し、腰痛、下肢痛が生じる病気です。幅広い年齢の人に発症します。多くは何かの動作がきっかけで発症します。(重いものをもったり、大きなくしゃみをしたりなど)

【治療】

安静、内服治療で多くは数週間で軽快します。しかし筋力麻痺(足首が動かしにくい、または動かない)、排尿障害(おしっこが近い、出にくい)、便秘、さらに治療によっても痛みが強く生活に支障がある場合には手術を行っています。
当院では顕微鏡を用いて手術を行っています。傷は2-3センチで1週間以内に退院される患者さんがほとんどです。

3.頚椎症性脊髄症

頸椎(首の骨)の変形によって脊髄が圧迫されて発症します。最初は手のしびれや巧緻障害(箸がつかいづらい、ボタンがかけにくい)から徐々に歩行障害などがみられます。

【治療】

症状が軽いうちは内服治療や装具をつけることもありますが、歩行障害まで出現しているとあまり改善しません。脊髄の圧迫をゆるめる手術(椎弓形成術)を行っています。この病気は転倒などを契機に急激に症状が悪化する場合があります。
日常生活にも注意が必要です。

4.脊柱変性(後)側彎症

背骨の曲がりが原因で腰背部痛や様々な神経症状、さらにひどくなると食べ物がつかえるといった症状を訴える患者さんもいます。多くは脊柱変形(背骨が曲がっていること)がもともとあって、それが加齢とともに悪化することが原因です。

【治療】

装具治療、体幹筋強化のための体操指導、内服治療などを行います。しかしこうした治療を行っても改善がなく、日常生活に支障を来す場合は手術を行っています。背骨の曲がりをインストゥルメンテーションを用いて矯正(矯正固定術)しています。長時間の手術となるため身体の状態によってはできない患者さんもいらっしゃいます。

5.骨粗鬆症性椎体骨折(背骨の骨折)

近年高齢化社会の進行により骨粗鬆症の方が増えています。骨粗鬆症は骨がもろくなったことで骨折しやすくなった状態をいいます。 転倒などで発症することが多いのですが、勢いよくいすに座ったり、あるいはくしゃみでも背骨が骨折することがあります。寝たり起きたりといった動作が非常につらくなります。

【治療】

骨折ですのでまずは安静が必要ですが、寝たきりによる筋力の衰えを防ぐためにコルセットなどの装具をつけて動ける範囲で動いてもらうことも必要です。一般的には4週から8週間くらいで痛みが落ち着いてきます。しかし痛みが落ち着いても骨密度の検査(当院では腰椎と大腿骨で検査)をおこない骨粗鬆症の治療をしっかり行うことも大切です。
また骨折から数ヶ月経過しているのに痛みがとれないといった患者さんのなかには椎体偽関節といって、本来固まるはずの骨がくっついていないこともあります。当院では固まっていない椎体にセメントを注入する手術(経皮的椎体形成術:バルーンカイフォプラスティ)を行っています。全身麻酔が必要ですので当院では3日間の入院で行っています。
※BKPに関しては「痛みをとるBKP治療」をご覧ください。

6.変形性股関節症

股関節(脚の付け根)の骨・軟骨の変形により関節構造が破綻し、痛みと機能障害が生じてくる状態です。患者さんの多くは女性で、子供の時の病気や股関節の発育障害が主な原因ですが、関節リウマチなどの関節炎が生じる病気、長期間のステロイド薬の使用やアルコール飲酒などでも生じてくることがあります。

【治療】

初期の変形では股関節の負担を軽くすることが大切です。筋力をつける運動療法や鎮痛薬などで症状の緩和を目指します。関節の変形が進行し、痛みの増強や日常生活動作でも支障が生じる時は人工股関節に置換する手術を行う方法もあります。

7.変形性膝関節症

関節軟骨の老化、変性により、軟骨が弾力性を失いすり減ることにより膝関節の変形が生じる状態です。女性に多くみられ、高齢になるほど罹患率は高くなります。また、関節リウマチなどに伴う関節炎によっても変形が生じることがあります。

【治療】

初期の症状としては動作開始時の痛みや水がたまることですが、症状が進行すると、階段昇降や歩行時の痛みを伴ってきます。初期には大腿四頭筋の筋力強化、正座を避ける、洋式の生活などで予防します。症状の進行に合わせて鎮痛剤、関節内へのヒアルロン酸の注射などを併用していきます。痛みの増強や日常生活動作でも支障が生じる時は人工膝関節に置換する手術を行う方法もあります。

医師紹介

  • 氏  名 大山 素彦(おおやま もとひこ)
    役  職 診療部長
    出身大学 自治医科大学
    資格・専門医等 岩手医科大学医学部臨床教授
    日本整形外科学会認定専門医・脊椎脊髄病医
    日本脊椎脊髄病学会認定指導医
    臨床研修指導医
    インフェクションコントロールドクター
    Best Doctors in Japan (2022 - 2023、2024 - 2025)
    所属学会等 日本脊椎脊髄病学会
    日本側彎症学会
    日本インストゥルメンテーション学会
    日本成人脊椎変形学会
  • 氏  名 本田 剛久(ほんだ たけひさ)
    役  職 整形外科医長
    出身大学 岩手医科大学
    資格・専門医等 日本整形外科学会認定専門医
    臨床研修指導医
    インフェクションコントロールドクター
    所属学会等